初回無料相談

分割払い対応可

秘密厳守

土曜・夜間相談可

離婚相談

長野市南千歳1丁目10-6 藤栄ビル5階長野駅4分

お問い合わせ・ご相談

050-5556-5966

電話受付 平日:9~21時/土:10〜21時/日祝:9~20時

マタハラについて

Q マタハラについて教えて下さい

A 最近、マタハラという言葉をニュースで聞いたことがありませんか。マタハラとは、マタニティハラスメントの略で、妊娠や出産、子育てを理由に職場で不当な扱いを受けることです。マタハラは、女性の社会進出が進む一方で、働く女性のための環境整備が追い付いていないことを背景に、深刻な問題として取り沙汰されています。この記事では、マタハラとは何かを解説したうえで、マタハラを受けた場合の対処法や、どのようなケースがマタハラになるかを実際の判例をもとにご紹介していきます。


マタハラとはなにか?

マタハラは、それを行う主体により、以下の2つに区別することが出来ます。


①事業主・使用者が、女性に対する妊娠・出産・育児休業等を理由として解雇・雇止めなどの不利益取り扱いをすること。
②職場の上司や同僚などが、女性の妊娠・出産・育児休業等について、身体的・精神的に苦痛を与えること、又は職場の環境を害する言動をすること。


マタハラに対する規制について

このようなマタハラについては、男女雇用機会均等法、育児介護休業法などに制限するための規定があります。
男女雇用機会均等法は、日本国憲法の法の下の平等原則の理念に従い、雇用において男女の平等な取扱いとともに、妊娠した女性や出産した後の女性に対する配慮を推進する法律です。
育児介護休業法は、労働者が育児や介護をする必要がある場合に、適切な配慮がなされ、仕事を継続できることをサポートする法律です。
これらの法律によると、女性労働者が婚姻したことを理由として解雇することは禁止されます。また、妊娠中又は出産後1年を経過していない女性に対する解雇は、使用者が妊娠・出産を理由とするものでないことを立証しない限り無効とされ、立証責任が事業主側に転換されています。
さらに、女性労働者が妊娠・出産、労基法65条の産前産後休業を請求・取得したことなどを理由として解雇その他の不利益な取り扱いをすることも禁止されています。禁止される不利益取り扱いとは、例えば、解雇・雇止め、降格させること、就業環境を害すること、不当に自宅待機を命ずること、不当に減給すること、不利益な配置転換をすることなどです。
なお、平成28年3月の法改正により、事業主は、上司・同僚が職場において、妊娠・出産・育児休業等を理由として就業環境を害する行為をすることがないよう防止措置を講ずることも義務付けられました。


実際にあったマタハラの判例

マタハラを受けた女性が裁判を起こすケースも増えており、実際に以下のようなマタハラに関する判例等もあります。


(1)最判平成26年10月23日(判タ1410号47頁、広島中央保険生協事件)
Yに雇用されている理学療法士である女性が、労基法65条3項に基づく妊娠中の軽易な業務への転換に際して降格され、育休から復帰後も元の地位に戻されなかったことから、Yに対し、男女雇用機会均等法9条3項に違反し無効を主張し裁判で争った事案です。
最高裁は、まず、均等法9条3項は強行法規として定められたもので、同行違反は違法であり、無効としました。そのうえで、妊娠中の軽易業務への転換を契機として降格させる事業主の措置は、原則として均等法9条3項の禁止する不利益取り扱いにあたるとしました。
もっとも、最高裁は、以下の場合には不利益取り扱いには当たらないとしています。

①当該労働者について自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めることが出来る合理的な理由が客観的に存在するとき

②事業主において当該労働者について降格の措置を執ることなく軽易業務への転換をさせることに円滑な業務運営や人員の適正配置の確保などの業務上の必要性から支障がある場合であって、この措置について均等法9条3項の趣旨・目的に実質的に反しないものと認められる特段の事情が存在するとき

このように、本判決は、均等法9条3項が私法上強行規定であると判断した点、妊娠・出産を理由とする不利益取扱い該当性について新たな判断枠組みを示した点で重要な意義を有します。

(2)東京地判平成15年10月31日(労経速1866号2頁、日欧産業協力センター事件)
Yに雇用されていた女性が、Yがした解雇ないし雇止めが無効であるとして地位確認等を求めるとともに、Yが女性の育児休業申請を拒絶したことなどを理由に不法行為に基づく損害賠償を請求した事案です。
裁判所は、使用者は、法定の除外事由がない限り、育児休業申請を拒んではならないのであり、Yが女性の育児休業申請を拒否した行為は、違法の評価を免れないとしました。そして、女性は、Yの育児休業付与の拒否によって、生後2か月の子を預けて出勤せざるを得なかったこと、出勤しても仕事をほとんど与えられず、机もパソコンもない状態であったこと等を総合すると、女性の精神的苦痛による損害は、地位確認及び賃金の支払いのみによっては填補されないなどとして、慰謝料の支払いを認めました。

(3)福岡地判平成28年4月19日(判時2311号130頁)
介護デイサービスを営む会社の営業所長が、女性介護職員から妊娠を理由に軽易な業務への転換を求められたにも関わらず転換せず、業務軽減に関する面談時に「万が一何かあっても自分は働きますちゅう覚悟があるのか」、「本当にこんな状態で、制服も入らんような状態で、どうやって働く?」、「べつに私、妊婦として扱うつもりないんですよ」などと発言したことについて不法行為に基づく損害賠償の請求などをした事案です。
裁判所は、これらの発言について、嫌がらせの目的は認められないにしても、相当性を欠き、社会通念上許容される範囲を超えたものであって、妊産婦労働者の人格権を侵害するものだとしました。また、会社が、女性介護職員との面談又は妊娠の報告後、早期に業務軽減に対応しなかったことは、従業員の職場環境を整え、妊婦であった職員の健康に配慮する義務などに違反するなどと判断し、営業所長に対する不法行為責任、会社に対する使用者責任及び債務不履行責任を認め、損害賠償の支払いを命じました。

まとめ

残念ながら、働く女性の妊娠や出産、子育てに関する労働環境が整っていない場合があります。マタハラを受けていてもどうしていいのか分からず、精神的・肉体的につらい思いをする女性も多いのが現状です。マタハラでお悩みの方は一人で悩まず、弁護士に相談することをおすすめします。

予約・問い合わせフォーム