2026.3.8 相続
夫が亡くなり、夫の母親(義母)から「出て行け!」と言われています。子はおらず、私は、出ていかなくてはなりませんか?
入籍していない、いわゆる「内縁関係」にある場合、法律上の配偶者には当たりません。そのため、夫が亡くなっても、内縁の妻は原則として相続人にはなりません。
今回のように子がおらず、法律上の配偶者もいない場合には、被相続人の父母などの直系尊属が相続人となりますので、義母が存命であれば、原則として義母が相続人となります。
もっとも、内縁の妻が「すぐに家を出て行かなければならないのか」という点は、相続の問題とは分けて考える必要があります。
まず、家が夫名義の持家であれば、その家に関する権利は相続人である義母に移ることになりますから、内縁の妻に法律上当然に住み続ける権利があるとはいえません。最終的に、明渡しを求められることはあり得ます。
ただし、義母が直ちに一方的に妻を追い出せるとは限りません。実際には、その家が持家なのか賃貸なのか、生活費や家賃をどのように負担していたのか、夫婦として同居していたのかといった事情によって、結論は変わってきます。明渡しを求める場合でも、通常はさまざまな事情を踏まえて検討することになります。
なお、賃貸住宅に住んでいる場合には、内縁の配偶者について特別な保護が問題となることがありますが、これは賃借人が相続人なく死亡した場合を前提とする制度です。そのため、今回のように義母という相続人がいる場合には、その保護規定をそのまま適用できるとは通常いえません。
また、相続人が誰もいない場合には、特別縁故者に対する相続財産分与の制度が問題となることがありますが、これも相続人がいないことが前提です。義母が相続人である以上、通常はこの制度による救済を見込むのも難しいでしょう。
実際に退去を求められているのであれば、弁護士に相談し、住居の権利関係などを確認することが大切です。


