弁護士法人はるか|長野法律事務所

相続・遺産分割事例紹介2

解決事例の紹介

【相談内容】

一人暮らしの母親80歳が心筋梗塞で急死しました。なお,父親は10年前に死亡しています。長男の私が母の全財産を相続できるものと思っていた。ところが母が死亡してから約1年後に,母が離婚した前父との間に女の子を生んでいたその女性(長女)から母の遺産分割として法定相続分である2分の1の請求が長女の弁護士からありました。前夫との間に産まれた女の子がいることは母から聞いたことはありますが,今まで一度も会ったこともなくどこに住んでいるか顔も名前も知りませんでした。長男としては母の遺産の土地も家も父親が稼いで建てたものであり,父が死んだから名義を母に代えたものでありそれを母親の子どもだからと言って請求してくるのは納得いかないと言われ。どうしたらよいかと相談に来られました。

【交渉結果】

長男から委任を受けて長女の弁護士と話し合いを始めましたが,母親の遺産額で意見が合わず長女の弁護士は家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てました。

 母親の土地と居宅は双方が不動産会社に時価額の算定を依頼して,合意した額が宅地1300万円と居宅の解体価格100万円でした。

母親の銀行預金1640万円でした。しかし異父の長女は預金を隠しているのではないかと疑っていましたので,相続人として気のすむまで調べてほしいと話しました。

 最終的に母親の遺産額は変わりませんでした。

 相続権者は2人で,相続割合は双方ともに法定相続割合の2分の1となりました。

調停成立内容は母親の遺産額は土地1300万円,居宅解体価格100万円,銀行預金1640万円,現金20万円の合計2860万円でした。

 長男が母親の葬儀費140万円を支払っていたので,相手方の長男は土地1200万円と居宅及び現金20万円を単独取得する。

申立人の長女は銀行預金1640万円を単独取得するが,申立人は遺産を取得した代償として280万円(210万円+葬儀費の50%の70万円)を相手方長男の銀行口座に20日以内振り込むことで成立しました。

【弁護士からのコメント】

異父兄弟がいることを知っていたら,父親が生きているときに遺言書を書いてもらって父の遺産の2分の1を相続するようにしておくか,または,父親が死亡した時に遺留分の減殺請求をして4分の1の遺産を長男がもらっておけば良かったと判断します。